公開日:2020.06.09 | 最終更新日:2024.09.24
交通事故の示談交渉で依頼すべき弁護士の選び方
交通事故の被害に遭ったときは、弁護士に依頼することで加害者から提示された示談金(損害賠償金)を増額できる可能性があります。弁護士は、被害者の肉体的、精神的な状況を判断して加害者側の保険会社と示談交渉をすることで、適切な示談金を請求できるからです。
ただし、依頼する弁護士は誰でもいいというわけではありません。依頼する弁護士によっては、保険会社との示談交渉をしても満足のいく結果が得られない場合があるため、選び方が重要です。ここでは、交通事故の示談交渉を依頼する弁護士の選び方を紹介します。
1.弁護士の選び方
交通事故の示談交渉を依頼する弁護士は、以下の条件で選びましょう。
【弁護士の選び方】
- 交通事故案件の実績
- 弁護士事務所の立地
- 弁護士との相性
交通事故の示談交渉は、一度和解してしまうと、後でくつがえすことが難しくなります。そのため、弁護士を選ぶ際は焦ならないことが大切です。
そのため、相談内容についてだけでなく、弁護士の過去の実績が気になる方は遠慮なく聞いてみましょう。
なお、多くの弁護士事務所で実施している無料相談を活用すれば、依頼する弁護士を決めるまでの費用を抑えることができます。
(1)交通事故案件の実績
交通事故の示談交渉を依頼する弁護士は、交通事故案件の取り扱いが多く、実績や経験が豊富であることが重要です。交通事故案件の実績や経験が多い弁護士は、保険会社との交渉に長けているため、有利な条件で進められる可能性が高いからです。
たとえば、交通事故に強い弁護士に依頼することで、認定された後遺障害等級に異議を申し立て、等級を上げることで加害者側の保険会社から提示された示談金を増額することができます。
後遺障害等級とは、交通事故に遭った後の後遺症の程度に応じて分類される等級です。後遺障害等級は、1級から14級まで分かれており、1級が後遺症の程度がもっとも重く、14級がもっとも軽い状態です。後遺障害等級は、「後遺障害等級認定手続」を行うことで認定され、等級が高い方が示談金は高くなります。
ただし、後遺障害等級は、厚生労働省によって基準が定められていますが、認定される等級が正しいとは限りません。
交通事故案件の経験が豊富な弁護士であれば、依頼人の後遺症から適切な後遺障害等級を判断し、認定された等級が低ければ異議を申し立てることで等級を上げられる可能性があります。
弁護士の実績は、法律事務所によってはホームページで確認できることがあります。ただし、全ての情報を載せていない場合や、最新の情報に更新されていないこともあるため、相談時にあらためて確認しておいた方がよいでしょう。
(2)弁護士事務所の立地
交通事故の示談交渉を依頼する弁護士は、通いやすい場所に事務所を構えているところから選ぶのがおすすめです。
今ではインターネット上で簡単に弁護士を探せるようになりました。
インターネットで弁護士を探していると「交通事故でお悩みなら」「交通事故の示談交渉ならお任せください」というような広告が表示されます。
しかし、弁護士事務所の場所が遠く、打ち合わせの度に片道1時間以上もかかってしまうと、肉体的や精神的な負担が増えてしまいます。
また、打ち合わせに必要な書類などを忘れてしまうと、せっかく事務所まで行ったのに、打ち合わせが何も進まないことも考えられます。
一方、弁護士事務所が自宅や勤め先の近くであれば、打ち合わせの負担も少ないですし、対面でのコミュニケーションも増えるので、弁護士との信頼関係構築にもつながります。
また、交通事故の現場と自宅が近ければ、同じ地域に事務所を構える弁護士に依頼することで、土地勘があるので、状況説明が迅速に対応できます。
インターネットで弁護士を探す場合は、まず「最寄り駅名 弁護士」または「市町村名 弁護士」などのキーワードで検索して、地元またか通いやすい地域で活動している弁護士事務所を選びます。
さらにそこから、自分が相談したいジャンルを得意とする弁護士を探しましょう。
■市役所や弁護士会が行う無料相談サービスを利用する
自治体や弁護士会による弁護士の無料相談を利用して気軽に話を聞きに行くこともできます。自治体が発行する広報誌や各都道府県の弁護士会のホームページで無料相談の日時が掲載されているので、あらかじめ確認しておきましょう。
相談を受けた弁護士に依頼するか、他の弁護士を紹介してもらっても良いでしょう。
法律の専門家である弁護士でも、やはり個性があります。
相談者に対する姿勢も、真摯に耳を傾ける弁護士もいれば、豊富な知識をもとにさまざまな角度からアドバイスをくれる弁護士もいます。
その中でも、相談者の主張や事情をきちんと理解し、尊重してくれる弁護士を探しましょう。
(3)弁護士との相性
弁護士は、電話対応や対面での相談の相性で選ぶことも大切です。ひとくちに弁護士といっても、話し方や態度などそれぞれ個性があるからです。
弁護士との相性の良し悪しは、相談する人によって違うので、どの弁護士が良いかは一概に言えません。そのため、口コミや評判だけで判断せず、ご自身で直接弁護士と話しをして確認することが大切です。
顔を合わせて話をしてみて、この人ならなんでも相談できる、信頼できると感じた弁護士に依頼しましょう。
相性の良い弁護士に依頼することで、満足できる結果を勝ち取るためにお互いが協力することができます。また、相性が良ければ相談もしやすいので、情報の漏れも少なくなり解決までがスムーズに行えます。
一方、相性が悪いと感じる弁護士に依頼をすると、打ち合わせの度に不信感が募ってしまい、事務所へ足を運ぶことや連絡をすることが億劫になってしまうことがあります。
さらに、打ち合わせも早く終わらせたいという気持ちになってしまい、伝えるべき情報が漏れてしまうことで交渉がうまくいかず、満足する結果につながらないおそれがあります。
■メリットしか伝えない弁護士は避ける
相性が良いと思った弁護士でも、相談したときにメリットしか伝えない場合は、依頼するのをおすすめしません。交通事故の示談交渉に限らず、全ての案件にはメリットとデメリット、そして弁護士ができる範囲が決まっています。それらを伝えない弁護士に依頼すると、後にトラブルにつながることがあるため注意しましょう。
3.弁護士に相談する前の準備
弁護士に初めて相談するときは、弁護士が適切なアドバイスができるように、事前に必要な資料を集めておきましょう。交通事故案件の経験が豊富な弁護士でも、情報が少なければ、状況が判断できないため、適切なアドバイスができないからです。
相談前に準備しておきたい資料の代表例は以下の通りです。
【相談前に準備しておく資料の代表例】
- 交通事故証明書
- 医師の診断書
- 入院した期間が分かる書類
- 示談金の額が分かる書類
弁護士は、交通事故に関する情報が少しでも多い方が状況を判断しやすくなるため、適切なアドバイスがしやすくなります。
そのため、相談時に提出する資料は、交通事故に関する個人的なメモなど、きちんとした書面になっていなくてもよいので弁護士に相談する際に用意しておきましょう。
もし、相談前に必要な資料が分からないという場合は、相談する弁護士事務所に確認しておくと漏れがなくなるので安心です。
4.弁護士は依頼後でも変更できる
「依頼した弁護士が、交通事故の示談交渉をした経験が少なかった」「依頼した弁護士との相性が合わずに不満がある」という場合には、他の弁護士に依頼を変更することを検討してみましょう。
弁護士の変更は、依頼中の弁護士の委任を解除することになりますが、このことは、法律で定められているため問題ありません。
ただし、依頼した際に支払った着手金や、着手から解除までにかかった費用は請求される場合が多いです。委任の解除時に支払う金額は、契約書に記載されているため、依頼する前に必ず確認しておきましょう。
5.交通事故の示談交渉は弁護士に依頼する
交通事故の示談交渉をするためには、法律関係などの専門知識が必要になります。また、相手は、経験豊富な保険会社である場合が多いので、交通事故の被害者になってしまった場合は、すぐに弁護士に相談してください。弁護士が加害者側の保険会社と交渉し、適切な示談金を請求します。
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