公開日:2020.08.10 | 最終更新日:2024.09.24
交通事故の被害にあったときに弁護士に依頼すべき3つのタイミング
交通事故の被害に遭ったときは、弁護士に依頼することで加害者側から適切な賠償金を請求できます。しかし、弁護士に依頼をしたことが無い人は、交通事故の後、どのタイミングで依頼をすればいいのか分からない場合もあると思います。
そのため、ここでは、交通事故の被害に遭った後、弁護士に依頼すべきタイミングを3つ紹介します。
1.弁護士に依頼する3つのタイミング
交通事故の被害に遭ったときに、弁護士に依頼するべきタイミングは以下の3つがあります。
- 加害者側の保険会社に治療費の打ち切りを打診されたとき
- 認定された後遺障害等級に納得できないとき
- 加害者側の保険会社と示談交渉をするとき
それぞれのタイミングで弁護士に依頼すべき理由を紹介します。
(1)加害者側の保険会社に治療費の打ち切りを打診されたとき
交通事故が原因でケガを負ってしまった場合は、加害者に過失があれば、完治するまでの治療費を加害者側の保険から支払います。しかし、治療が長引いてしまうと、完治していなくても加害者側の保険会社から治療費の打ち切りを打診されることがあります。
これは、加害者側の保険会社が、被害者に支払う治療費を抑えたいことが理由です。保険会社は営利企業なので、利益を追求する必要があり、被害者に支払う治療費を抑えようとしてくることがあります。仮に、ケガが完治していなくても保険会社の打診を受けて入れてしまえば症状固定や完治したと判断されるため、それ以降の治療費は基本的に請求できません。
また、交通事故のケガが原因で後遺障害(後遺症)が残った場合、主治医がこれ以上治療をしても改善が見込めないと判断すると「症状固定」の診断がされます。症状固定がされた場合も、それ以上の治療は請求できないため、保険会社は「固定症状」の催促をしてくることがあります。
もちろん、主治医がこれ以上治療の必要が無いと判断すれば、治療費の支払いが打ち切られますし、治療の継続が必要であると判断すれば保険会社からの打診を断れます。
ただし、主治医が治療の継続が必要だと判断しても、ケガの原因が交通事故であることを証明できなければ、保険会社から治療費の打ち切られてしまうおそれがあります。そのため、保険会社から治療費の打ち切りや症状固定を打診された場合には、弁護士に依頼しましょう。
弁護士に依頼すれば、交通事故とケガの関係を主治医にきちんと確認して明確にします。もし、関係性が認められれば、保険会社と交渉をして治療を継続できる可能性があります。
さらに、治療費の打ち切りを打診されたタイミングで弁護士に依頼することで、保険会社との交渉を被害者の代わりに行うため、精神的なストレスを軽減できます。
(2)認定された後遺障害等級に納得できないとき
交通事故の被害によって、後遺障害(後遺症)が残ってしまった場合、症状固定の後に後遺障害等級が認定されます。
後遺障害等級とは、後遺障害の程度に応じて認定される等級です。後遺障害等級は、1級から14級まであり、後遺障害が最も重いのが1級になり、軽いものが14級です。
加害者に賠償金を請求するときは、後遺障害等級が基準になるため、認定された等級によって金額が異なる場合があります。
後遺障害等級は、主治医から「症状固定」の診断を受けた後に作成する、後遺傷害診断書や、その他必要書類を自賠責調査事務所という機関へ送り審査を受けた後に認定されます。
しかし、後遺障害等級は、書類のみで審査されるので、後遺障害診断書に記載された内容と実際の症状に食い違いがあると、適切な等級で認定されない場合があります。
そのため、自賠責調査事務所の認定に不服がある場合には、異議申立てを行うことができます。異議申立てをすることで、再度審査が行われ、再審査の結果によっては後遺障害等級が変わる可能性があります。
ただし、後遺障害等級の異議申立てには、法律の知識が必要になるため、個人で行うと手間や時間がかかります。そのため、後遺障害等級に異議を申し立てるタイミングで弁護士に依頼しましょう。弁護士に依頼すれば、手続きや交渉などを代わりに行うため、手間や時間をかけずに適正な等級が認定されることがあります。
(3)加害者側の保険会社と示談交渉をするとき
交通事故によるケガが完治した後や、後遺障害等級が認定された後に、加害者側の保険会社と示談金交渉を行います。先述した通り、保険会社は営利企業であるため、被害者への示談金をなるべく払いたくはありません。また、保険会社の担当は示談交渉を何度も経験しているプロなので、個人で交渉すると知識や経験の差から不利な条件になることがあります。
そのため、加害者側と示談交渉をするタイミングで弁護士に依頼しましょう。
弁護士に依頼することで、加害者側の保険会社との示談交渉を有利に運べるため、適正な賠償金を請求できる可能性があります。
また、交通事故の賠償金には、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準の3つがありますが、弁護士に依頼することで、最も金額の高い裁判基準で請求するため、個人で交渉するよりも多くの賠償金を受け取れる可能性があります。
賠償金の基準については、コラム記事「交通事故の後遺障害(後遺症)に対して請求できる慰謝料について」をご確認ください。
2.弁護士に依頼するタイミングが来る前に弁護士を決めておく
交通事故の被害に遭った時に、適切なタイミングで弁護士に依頼するためには、事前に依頼できる弁護士を決めておくことが大切です。弁護士にも得意な分野があるので、あわてて依頼した弁護士が交通事故に慣れていない場合、満足した結果が得られないおそれもあります。
また、加入している任意保険会社から、弁護士を紹介されることがありますが、依頼するのはおすすめしません。なぜなら、保険会社が紹介する弁護士は必ずしも交通事故に慣れているとは限らないからです。
そのため、さきほど紹介した3つのタイミングが来る前までに、ご自身で複数の弁護士に相談をして、依頼すべき弁護士を探しておきましょう。
なお、交通事故の被害に遭った時に依頼すべき弁護士の選び方は、コラム記事「交通事故の示談交渉を依頼する弁護士の選び方」をご参考にしてください。
3.弁護士に依頼できる期限
弁護士に依頼をして、交通事故の加害者へ賠償金を請求するなら、「示談が成立する」または、「賠償金請求の時効が成立する」のどちらかのタイミングまでです。どちらかが成立してしまうと、弁護士に依頼をしても、賠償金を請求するのが難しくなります。
たとえば、加害者側の提示した賠償金で示談を成立させた場合、後から賠償金が相場よりも少なかったことが分かっても、すでに契約が成立しているため、内容の変更や取消しは原則できません。弁護士に依頼したとしても状況を変えることが難しくなります。
また、交通事故の被害に対する賠償金は、加害者に請求できる期限が決まっています。慰謝料の請求期限は、令和2年4月1日以降では、物損事故3年、人身事故の場合は5年です。令和2年3月31日以前の事故では、物損事故、人身事故とも3年が期限です。
時効が完成した後に弁護士に依頼しても賠償金を請求することができません。そのため、加害者に賠償金を請求する場合は、弁護士に依頼するタイミングに注意しましょう。
4.弁護士は余裕を持って探しておく
交通事故の被害に遭った場合、弁護士に依頼するタイミングを逃してしまうと、適切な賠償金を受け取れないおそれがあります。そのため、いつでも依頼できるようにしっかりと準備をしておきましょう。
示談は一度成立してしまうと変更が難しいため、依頼する弁護士を探すときには、なるべく多くの弁護士と相談して納得のいくところで決めることをおすすめします。また、弁護士を探す際には、無料相談を利用することで費用を抑えられます。
なお、新小岩法律事務所でも無料相談を行っております。
新小岩法律事務所では、予約により平日20:00開始の無料相談も行っております。当事務所は新小岩駅南口徒歩1分の場所にありますので、小岩、新小岩、平井、亀戸、錦糸町など、総武線沿線の地域にお住まいの方は、仕事帰りにぜひご活用ください。当事務所では、上記の地域だけでなく市川、船橋や松戸の方からもご相談をいただいております。
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