公開日:2021.12.14 最終更新日:2024.09.24

離婚の切り出し方と適切なタイミング

配偶者との離婚を決意した人が難しいと感じるのが、話しの切り出し方です。

頭のなかでは配偶者に話しをするイメージはできているものの、いざ話しを切り出そうとしても勇気でなくてモヤモヤした日々を送っている、という人もいらっしゃるかと思います。

離婚の話しを切り出すには、準備とタイミングが大切です。ここでは、話を切り出す適切なタイミングと離婚の話を進めるための準備について解説するので確認しておきましょう。

1.離婚を切り出すタイミング

離婚の話を切り出すのは、配偶者が落ち着いて話ができる時間帯にしましょう

配偶者が話し合いのできる状態でないときに離婚の話を切り出しても、聞いてもらえる可能性が低くなります。また、配偶者の精神状態が不安定なときに離婚を切り出してしまうと逆上され、合理的に離婚の話を進められないかもしれません。

そのため、配偶者に離婚の話を切り出すときは、ご自身のタイミングだけでなく配偶者が話し合いのできる状態かを確認しておく必要があります。

なお、配偶者と話をする時間がなかなか取れないようであれば、「大事な話があるから今夜時間を取ってほしい」と事前に伝えておき、タイミングを合わせてもらう方法も検討しましょう。

2.離婚の同意を得るための伝え方

配偶者と離婚の話し合いをするときは、伝え方に注意が必要です。話し合いの途中で感情的になったり伝える内容がまとまらなかったりすると、配偶者の同意を得ることは難しくなります。

話し合いの場をせっかく設けられたのに、配偶者の合意を得られなければ、また離婚の話を切り出すチャンスを伺わなければいけません。一度の話し合いで、配偶者から離婚の同意を得るためにも、ご自身の意思を配偶者が理解できるように伝えることを心がけましょう。

(1)手紙やLINEで離婚を切り出す

配偶者に口頭で離婚の話を切り出すことに抵抗がある場合は、手紙やLINEで伝えることも検討してみましょう。手紙やLINEであれば、配偶者に伝える前に内容を何度も練り直すことができるため、ご自身の考えを伝えやすくなります。

また、配偶者と対面で話す際も、手紙を用意しておくとリスク回避に役立ちます。話す内容を考えていたのに、いざ配偶者を目の前にするとうまく伝えられないケースは少なくありません。

そのような状況になったとき、用意していた手紙を渡せばご自身の代わりに意思をきちんと伝えてくれます。

離婚の話を切り出す場合、配偶者から離婚の合意を得ることが目的になるため、ご自身が伝えやすい方法を選択してください。

(2)原因をきちんと伝える

離婚についての話し合いを進めていると、言いたいことが次々とでてきて、離婚するに至った根本的な原因が伝わらないことがあります。原因が伝わらなければ、配偶者はなぜ離婚したいのかが理解できず、話し合いが長引く可能性も高いです。

そのため、話し合いのなかでは、離婚したいと思うようになった原因を配偶者にきちんと伝えるようにしましょう

(3)証拠があれば準備しておく

配偶者に離婚の話しを切り出す場合、原因を証明するための証拠を事前に準備しておきましょう。たとえば、配偶者の不貞行為が原因であれば写真やメール、モラハラであれば該当する行為を録音した音声や、詳細を書いたメモや日記が証拠になります。
また、これらの証拠は、離婚調停や離婚裁判の際にも役に立つ場合があるのでできる限り準備しておきましょう。

(4)再構築の意思がないことを伝える

離婚を受け入れてもらえないケースのひとつとして、配偶者が夫婦関係の再構築を希望している場合があります。まだ愛情が残っていると思われているからです。

配偶者が関係の修復を希望している場合、すでに愛情はなく関係が修復するのは不可能だということを伝えましょう。

ただし、愛情がないからといって冷たく離婚の話を切り出すことはおすすめしません。配偶者の同意を得るためには、互いの生活をよりよいものにするために離婚という選択もあるのだと伝えることが重要です。

3.離婚の話を切り出す際の注意点

離婚の話は自分だけでなく、配偶者にも大きな精神的なストレスを与えます。安全に、かつスムーズに離婚の話を進めるためにも、離婚を切り出す前に注意点を把握しておきましょう。

(1)事前準備をしてから離婚の話を切り出す

離婚の話を切り出す前に、下記のような準備ができているか確認しましょう。

  • 今後の生活費の確保はあるか?
  • 離婚したい理由や要点を簡潔に話すことができるか?
  • 子どもへの配慮はできているか?

事前準備をしないまま離婚の話を切り出してしまうと、離婚に同意してもらえないうえに、その後の関係がこじれて離婚できる日が遠のいてしまうリスクがあるからです。

離婚をスムーズに進めたいときにこそ、事前準備をしっかりとしておきましょう。

(2)DV要素があるなら第三者に立会いを依頼する

配偶者にDVの要素がある人は、親族や弁護士など信頼できる第三者を交えたうえで離婚の話を切り出すようにしましょう。

配偶者に少しでもDV要素がある場合、離婚の話をすると逆上するおそれがあるため危険です。自分の身の安全を確保するためにも、離婚の話を切り出す前に信頼できる人に相談しておきましょう。

(3)子どもがいない場所で話し切り出す

離婚の話しを切り出すときは、できる限り子どもが居ない空間で行うようにしましょう
離婚の話し合いでは感情的になる場面もあり、その状況が長時間に及ぶことで子どもへの精神的負担になるからです。

日本教育心理学会主催のシンポジウム「親の夫婦げんかが子どもに与える影響を考える」の資料を見ると、家庭内でパートナーとの喧嘩が絶えない場合、子どもの体調や心理に大きな影響を与え、ぜんそくやチックなどが発症する可能性について示唆されています。

そのため、離婚の話しを切り出すときは、子どもが寝たあとや、自宅以外の場所に預けるなどして子どもに負担をかけないことを心がけましょう。

4.離婚の話しを切り出すきっかけ

離婚を切り出すきっかけがなかなか見つからない場合は、人生における節目を目安に考えてみましょう

離婚は、節目を迎えたタイミングで成立することが多く、実際に厚生労働省が発表している「離婚に関する統計」を見てみると、年度末である3月に離婚件数が最も多くなっていることがわかります。

ほかにも、下記のような人生の節目で離婚を決める人もいます。

  • 子どもが進学したとき
  • 子どもが就職したとき
  • 転職した時
  • 定年退職したとき

人生の節目で離婚するのは、名字が変わることが理由として考えられます。たとえば、離婚後に子どもの名字が変わる場合、就学中よりも進学後に離婚するほうが、子どもへの精神的な負担は少なくなるといえるでしょう。

5.離婚の同意が得られないときは弁護士に相談する

配偶者と話し合いをしても離婚の同意が得られない、配偶者が怖くて離婚の話を切り出しにくいときは、離婚相談を得意とする弁護士に相談してみましょう。弁護士に相談すれば、離婚の話を進めるための適切なアドバイスを受けることができるからです。

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